カムア① その日がやってきた

カミングアウトの日

 

 その日は 突然やってきた

 いつもの 金曜日

 パンを差し入れた水曜日の ハグさんの様子が どことなく・・・へんで

 気にはなっていたが 

 予想通りに 喜んではいられなかった

 

 金曜日 部屋に来るなり

 「実は 今日 話があるんで・・・」

 「その時が 来た・・・」(おそらく 別れ話・・)

 

 「話は 食事のあとで・・」

 「気になるんですけど・・・」

 「喜んでもらえそうにない でもいい話なんで・・・」

  (以前にも あった 自分にとってはいい話なんですけど

   nagiさんにとっては いい話ではないんです)

 それは 彼女と付き合うことになったって時の話・・・

 

 食事の後 コメダでまったり

 その時が 来た

 「実は 付き合う人ができたんです だから これまでのようには

  会えないということを伝えたくて・・」

 「そうなんですね・・」

 「ショックですか ?」

 「いいぇ こんな日が来ると思ってましたから。いつかは 来ると思ってました。」

 「まだ 数回あっただけなんですけど・・」(実は お泊りお関係になったらしい)

 「気が合いそうなので 付き合うことにしました だから・・

  これまでのように毎週は 会えないと思うので・・・」

  (週1回の食事が 頻回と言われたらそうなのかもしれないが、本当は毎日でも

   いいと思っていたのに・・)

 

 「彼女には これまでのことを話しました。」

 「そうなんですね nagiのこともですか」

 「はい」

 「じつは 母親にも nagiさんとのこと話してます、そしたら 彼女出来たって

  言っときなさい・・と言われて。」

  (会う回数や 少し彼女との時間を取るためにも・・の意味もあって)

 「nagiって 変と思われてるんでしょうね。」

 「そうですけど・・自分も 変なんで気になりませんよ。」

  (ハグさんの 家族からすれば、毎週の食事とデートは

   変であることには変わりない、普通に考えてもそうなんだろう。)

  (おそらく 関係を断ちなさいと言われてるのには 違いなく。そこはハグさん

   が優しいので、自分としては、関係を続けてもらいたい・・と

   そして ハグさんから離れたら 生きていけないと 言ったこともあってか

   全面拒否はできない・・そんな事情が見えて来て)

 「でも 月1回とか 言ってもらったら時間作ります。」

  (ここでも そうなんだ 自分からいつにしましょうとは 言わない 相手から

   言ってくるのを待っていて)

 

 「以前から ハグさんのことが 気になっていたことは伝えていたと思いますが

  実は あなたのことが 好きなんです。 あの運命の出会いの時からです。」

 「うれしいです、好きと言ってもらえて・・」

 「好きって感情は みんな持ってると思うので・・」

 「でも ほかの人には言いませんけど、ハグさんとは あの日、出会ったから

  好きになったんだと 思います。ハグさんだったから、そうなったのだと

  思ううんです」

 「それじゃあ 別の人だったら・・」

 「それはないと 思います。あなただったから・・好きに、一瞬の感情ですけど」

 

  突然やってきた カミングアウト・・・

  話しの流れの中で でできた 話題

 「nagiさんの 家族の話を聞いたときの あるエピソードから、

  そうなんじゃないかと思っていました」

 「変わってるでしょ・・自分の中には 女性が入ってるんだと思います

  時に 男性だったりしますけど」

 「性は 関係ないです・・好きであることには 変わりないでしょうから」

 「好きで 迷惑になりませんか・・・」

 「ありがとうございます・・・」

  以前にも そういってもらった人がいました ありがとうと・・

 別れ際の 車の中で

 「好きを 超えて 愛してしまったんです・・」

 「その言葉 重いです・・」

 言ってしまいました カミングアウト・・

 

 今日の話は これにとどまらず

 ハグさんに とってnagiの存在が 大きいこと 

 「もう 彼女出来たのなら 今日を 最後にしましょうね・・

  今まで ありがとうございました。お別れということに。」

 「そんな、そんなにこれまでのことを 簡単に 考えていたなんて・・

  ショックです。

  それぐらいの関係だったんですか」と言われて

 「じゃあ どんな関係なんですか ? 」

 「だから 深く関わった人で、nagiさんのおかげで 今の自分がいるんです。

  これからもずっと・・・」

 「それなら あなたから 時間を言ってくれてもいいですけど」

 「自分からは 会おうって 言わないと思うんで nagiさんから

  そういってください 月1回でも いいじゃないですか、別れるとかは

  イヤです。」

 

 今日という日が 特別な日となってしまった

  三度目の 特別な日 でも 今回は何なんだろう・・

 

  2020年 8月21日

 続編は 明日記します