冷めた 気持ち

高校時代 追っかけた 彼

 

 シェアハウスを 出て 実家に戻り

 日中 一人生活

 時々 手紙が来て 近況を 知らせてくる

 実は 同級生だが 一つ 年上

 父親の 転勤で 高校1年を 2回

 年上の 落ち着き

 周囲に違った オーラを放って

 

 図書室 ベランダ

 独りで 静かに 過ごしておられた

 憧れの ひと

 

 手紙には これからのことへの 決心

 文学を やっていくのだと

 決意がしたためられていた

 毎月のように 私宛に

 

 「恋」は、冷めるもの

 あれだけ ドキドキ した 経験

 嬉しさ 喜び

 それが 潮が引くように 消えていった

 淋しくもあり

 何だったんだろう

 

 高校の彼の話を

 星空の 彼に 話すと

 会いに行ったら と

 

 隣県に住む 高校の彼に

 会いに行った

 何度か

 たわいもない話 友人として

 会話は 続く

 

 冬の日、2人とも こたつに 足をつっこみ

 どんな流れで そんな話になったのか

 忘れたが

 私が 以前 

「君のことが 好きだった」 ことを

 告げた

 

 彼は 驚いた表情も見せずに

 「じゃあ、今は・・」

 今でも この情景は 記憶に残る

 逝ってしまった 彼との 最後の会話

 

 この時、「今も・・」と返したら

 それからの 人生 変わったものに なっていた

 そうすれば 彼は 素直に生きれたかもしれない

 生きることに 上手くなかった 彼

 思い出すと 涙が ・・

 そんな思いが 

 

 この時

 「今も・・」と 言えなかった

 彼は なぜ 「じゃあ、今は・・」と

 問い返したのか

 

 おそらく 「今は、もう 冷めてしまった・・」と

 告げたような 記憶がある

 彼の、気持ちを 思ってあげれなかった

 本当は 「今も 君のことが・・好き。」と

 言って ほしかったんだと

 そうすれば 別の人生を 歩めたのはないかと

 一時 同じ屋根の下で暮らし

 何かを 求めて 近づいて 来た 彼に

 冷たさで 返した

 

 現在になっても 愛することに 積極的で

 愛されることに 鈍感 

 その愛に 応えてやれない 私

 応えようとしても どこか

 冷たいんだろうと思う

 そんな 自分が

 嫌になる

 

 高校の 彼とは 手紙のやり取りが

 数年 続きました

 遠くは 北海道の消印のものも