イブの夜

予定通りの行動

 

 半ドンの ハグさんと偶然出会って

 「今日は 9時には帰ってます・・」

 「遅くなっても いいですか?」

 「大丈夫です」

 先週の 土曜日の会話を 覚えていてくれた

 遅くても 立ち寄りたい と

 

 クリスマスに 渡したいものがあって

 ケーキとパンを買って

 予定通りの 行動

 そのための 一日

 

 忘年会の 帰り 22時半過ぎに 

 ベルを 鳴らして

 迎え入れてくれた あがってもいいですか

 ちょうど 夜食を取ろうとして 鍋にお湯を沸かして

 ひとり暮らしの さっぱりとした 部屋

 片付けられた 空間

 クリスマスとは 縁遠い 時空

 

 パンと ケーキを渡して

 「こんなに いいんですか・」と言いつつ 受け取る 

 ハグさんは トレーナーの上下

 職場とは 違った雰囲気で

 「変わりないですよ・・次 木曜日でしたよね。」

 「その日は nagiは休みなのですが 駐車場にいます。」

 

 そわそわした感じを受けて

 早く 帰ってくれないか・・・みたいな

 

 「実は プレゼントを 渡したくて・・・」

 包装した パッケージ

 「ユニクロの ギフト券です。 選べなくて 気に入ったのを

  買ってもらえたら いいので 」

 「ありがとうございます・・ギフト券あるんですね」

 「もし 買ったら見せてくださいね。」

 「いいですよ。」

 「中に メッセージカード入ってるんで・・・」

 「なんか ドキドキしますね・・・」

 「不思議な 人でしょうね・・nagiのこと そう思ってませんか。

  プレゼントを 買ってきたりして。」

 「いえ そう思う時もありますけど 自分も変わっているんで・・・」

 

 メッセージには 

 不思議な出会い 運命的な関りに 感謝して

 ありがとう ございます

 と 書いて 

 

 どう 受け取ってくれただろうか

 何かに 導かれるように 関わって 

 「自然に 関わって 今があるんですよ、気を使っているのではなく・・」

 「そうなんですか・・・」

 また 木曜日に・・・

 滞在 時間 15分程度 遅い時間

 ハグさんの 時間を 切り取って しまった

 

 切り取られた 時間を 繋ぎ合わせて

 パッチワークのように 

 広げて 包まれたら どんなにか 幸せだろうか

 そんな 雰囲気の ハグさん

 そう 不思議の国に 住まう 王子さま

 そうなると nagiは お妃 ?