ハグ

悲しみの人と

 

 ハグをした

 その人も 背中に手まわして

 ハグ 

 「大丈夫だから・・」

  なにが 大丈夫なのか 言えなかった

  時空が 気持ちを 解きほぐしてくれる と信じて

  大丈夫だから と

 「信じてるよ 君のこと・・」

 

 そして ハグ

 

 どう伝わったか

 その時は それが 精一杯の

 気持ち

 

 翌日 出会うことになって

 「信じてるよ・・」と 声をかけた

 

 その人は 少し笑ったような 感じになった

 初めて 話すことになった nagiに

 どこまで 話すのか

 何を 話そうか

 迷った はず 

 

 絞り出された 言葉に

 nagiは 言葉を 繋いだ

 「大丈夫だから・・」と

 

 自分のこと だけでなく

 いろんな 人の

 前だったり 後ろだったり 横だったり 

 交差 していくんだな

 それが 今の 重さ

 

 今日は 快晴

 久しぶりに 散歩

 博多湾を 眺めて 

 風は まだ冷たい

 釣り竿を 操る ひと

 ふと 

 ゆでたまに例えれば 薄皮程度の 地表

 そのうえでの やり取り

 それが 現実 か

 と